- なぜ?中小企業のサイバーセキュリティ対策が進まない理由
- サイバー攻撃は他人事じゃない!中小企業が狙われる理由
- 今すぐできる!中小企業向けセキュリティ対策の第一歩
- 最後に:セキュリティ対策は「投資」である
なぜ?中小企業のサイバーセキュリティ対策が進まない理由
今回はIPA(情報処理推進機構)が発表した、「2024年度中小企業における情報セキュリティ対策の実態調査報告書」の速報版を参考に、中小企業におけるサイバーセキュリティの現状を解説していきます。今回の調査によると、中小企業のサイバーセキュリティへの投資が後退傾向にあることが明らかになりました。特に、2021年度の前回調査と比較して、セキュリティ対策に「投資していない」と回答した企業が大幅に増加している点は、非常に憂慮すべき事態です。
なぜ、中小企業ではサイバーセキュリティ対策への投資が進まないのでしょうか。調査では、「必要性を感じない」という理由を挙げる企業が半数近くに上っています。しかし、本当にサイバーセキュリティ対策は不要なのでしょうか?
私は、これは大きな誤解だと考えています。現代社会において、サイバー攻撃は、大企業だけでなく中小企業にとっても深刻な脅威です。
サイバー攻撃は他人事じゃない!中小企業が狙われる理由
「うちの企業が狙われるわけがない。今までサイバー攻撃なんて起きなかったから、今後も起きないだろう。」そう思っていませんか?残念ながら、それは間違いです。サイバー攻撃者は、企業の規模に関わらず、セキュリティの脆弱なところを狙ってきます。
中小企業が狙われやすい理由としては、以下のような点が挙げられます。
- セキュリティ対策が不十分: 大企業に比べて、予算や人材が限られているため、セキュリティ対策が後回しになりがちです。
- サプライチェーンの一部: 大企業の取引先である中小企業を踏み台にして、大企業を攻撃するケースが増えています。
- 情報の価値: 個人情報や取引先情報など、サイバー攻撃者にとって価値のある情報を持っている可能性があります。
IPAの調査でも、2023年度にインシデント被害を受けた企業は975件に上り、その影響は「データの破壊」(35.7%)、「個人情報の漏えい」(35.1%)など、深刻なものばかりです。被害額の平均は73万円、最大で1億円というデータもあり、経営を揺るがす事態になりかねません。
今すぐできる!中小企業向けセキュリティ対策の第一歩
「セキュリティ対策は難しい」「お金がかかる」と思われがちですが、まずはできることから始めることが大切です。ここでは、すぐに取り組める対策をいくつかご紹介します。
- OSやソフトウェアを最新の状態に保つ: パソコンやスマートフォン、サーバーなどのOSやソフトウェアは、常に最新の状態にアップデートしましょう。これにより、脆弱性(セキュリティ上の欠陥)を解消し、攻撃のリスクを減らすことができます。自動更新機能を有効にしておくと便利です。
- 強力なパスワードを設定し、使い回さない: パスワードは、英数字や記号を組み合わせた複雑なものにし、他のサービスで使い回さないようにしましょう。パスワード管理ツールを利用するのもおすすめです。
- 不審なメールやURLに注意する: 知らない送信元からのメールや、怪しいURLは開かないようにしましょう。フィッシング詐欺の可能性があります。
- セキュリティソフトを導入する: ウイルス対策ソフトやファイアウォールなどのセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保ちましょう。
- 従業員へのセキュリティ教育: 社員一人ひとりのセキュリティ意識を高めることが重要です。定期的な研修や情報共有を行いましょう。例えば、標的型メール訓練などを行うと効果的です。
これらの対策は、基本的なものばかりですが、非常に重要です。まずは、これらの対策を確実に実行することから始めましょう。
最後に:セキュリティ対策は「投資」である
セキュリティ対策は、コストではなく「投資」です。被害に遭ってからでは遅すぎます。将来のリスクを回避し、事業を継続させるために、今すぐセキュリティ対策に取り組みましょう。サイバーセキュリティ対策をすることは、「将来の見えないリスクを減らす。」ことになります。
もし、何から始めたら良いか分からない場合は、弊社のようなセキュリティベンダーに相談することも検討してみてください。IPAなどの公的機関も、中小企業向けのセキュリティ対策支援を行っていますので、積極的に活用しましょう。