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今そこにある危険!あなたのビジネスを脅かす「ゼロデイ脆弱性」とは?

ゼロデイ脆弱性って何?言葉の意味と危険性

最近、ニュースなどで「ゼロデイ脆弱性」という言葉を耳にすることが増えてきました。なんとなく危険なもの、というイメージはあっても、具体的に何が問題なのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。

ゼロデイ脆弱性とは、簡単に言うと、ソフトウェアやシステムに存在する、まだ誰も知らない、あるいは対策がされていない「弱点」のことです。セキュリティの穴、と言い換えてもいいかもしれません。

「ゼロデイ」という言葉は、この弱点が発見されてから、対策が提供されるまでの「日数(day)」が「ゼロ(zero)」であることに由来します。つまり、発見されたその瞬間から、攻撃者にとっては格好の標的になってしまうのです。

想像してみてください。あなたの家の玄関に、鍵がかかっていない場所があったとします。泥棒がそのことに気づいたら、どうなるでしょうか? もちろん、すぐに侵入されてしまいますよね。ゼロデイ脆弱性も、これと似たような状況なのです。

実際にあったゼロデイ脆弱性の事例

最近、CISA(アメリカ合衆国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁)が、Microsoft Partner CenterとSynacor Zimbra Collaboration Suite(ZCS)に存在するゼロデイ脆弱性について警告を発しました。

  • Microsoft Partner Centerの脆弱性(CVE-2024-49035): 攻撃者は、この脆弱性を利用して、認証なしに権限を昇格させることが可能になります。つまり、本来アクセスできないはずのシステムや情報に、不正にアクセスできてしまうのです。Microsoft Partner Centerは、多くの企業がMicrosoftとの関係を管理するために利用しているため、この脆弱性の影響は非常に大きいと言えます。幸い、Microsoftはこの脆弱性に対して自動アップデートを提供し、ユーザー側での対応は不要でした。
  • Synacor Zimbra Collaboration Suite(ZCS)の脆弱性(CVE-2023-34192): こちらは、クロスサイトスクリプティング(XSS)と呼ばれる攻撃を許してしまう脆弱性です。攻撃者は、悪意のあるスクリプトをWebサイトに埋め込み、ユーザーがそのサイトを閲覧した際に、個人情報が盗まれたり、偽のサイトに誘導されたりする可能性があります。Zimbraは多くの企業でメールやコラボレーションツールとして利用されているため、この脆弱性も深刻な影響をもたらす可能性があります。Zimbraはこの脆弱性に対して修正パッチをリリースしましたが、それ以前には手動での対策が必要でした。

これらの事例からもわかるように、ゼロデイ脆弱性は、企業や組織にとって非常に大きな脅威となります。情報漏洩やシステム停止など、ビジネスに深刻なダメージを与える可能性があるのです。

ゼロデイ脆弱性から身を守るには?

ゼロデイ脆弱性は、発見された時点では対策が存在しないため、完全に防ぐことは非常に困難です。しかし、被害を最小限に抑えるために、できることはあります。

  1. ソフトウェアを常に最新の状態に保つ: ソフトウェアベンダーは、脆弱性が発見されると、修正パッチをリリースします。パッチが提供されたら、速やかに適用することが重要です。
  2. セキュリティソフトを導入する: セキュリティソフトは、既知の脆弱性だけでなく、未知の脆弱性を利用した攻撃からも、ある程度保護してくれます。
  3. 不審なメールやWebサイトに注意する: 攻撃者は、フィッシングメールや悪意のあるWebサイトを通じて、脆弱性を悪用しようとすることがあります。怪しいリンクや添付ファイルは開かないようにしましょう。
  4. 定期的なセキュリティチェックを行う: 専門家によるセキュリティ診断や脆弱性診断を受けることで、潜在的なリスクを早期に発見し、対策を講じることができます。
  5. 多要素認証(MFA)の導入: たとえID/パスワードが漏洩したとしても、多要素認証を導入することで不正アクセスを防ぐことができます。

まとめ:ゼロデイ脆弱性は「見えない脆弱性」

ゼロデイ脆弱性は公表されていない未知の脆弱性です。誰にも知られていないからこそ、どのように警戒すればよいのかわかりません。この警戒できないことが最大の脅威となります。ゼロデイ脆弱性は常に存在すると考え、今回の記事で紹介した対策を参考にすることで、被害を最小限に抑えられるでしょう。

今回の記事で紹介した対策を参考に、ぜひ、ご自身のセキュリティ対策を見直してみてください。そして、「自分は大丈夫」と過信せず、常に最新の情報を収集し、適切な対策を講じるようにしましょう。

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