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猛威を振るうランサムウェア「Medusa」とは?その手口と対策

ランサムウェア「Medusa」の脅威

近年、サイバー攻撃はますます巧妙化し、私たちの生活やビジネスに深刻な影響を与えています。その中でも特に注意すべきなのが、ランサムウェアと呼ばれるマルウェアの一種です。このブログでも度々解説しているランサムウェアは、感染したコンピュータのファイルを暗号化し、身代金を要求する非常に悪質な攻撃手法です。

最近、米国サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)などの機関が、「Medusa」と呼ばれるランサムウェアによる被害が拡大していると警告を発しました。Medusaは、医療、教育、法律、保険、テクノロジー、製造業など、重要インフラを含む300以上の組織に攻撃を仕掛けていると報告されています。

Medusaの攻撃手法

Medusaは、「ランサムウェア・アズ・ア・サービス(RaaS)」と呼ばれるビジネスモデルを採用しています。これは、ランサムウェアの開発者が、攻撃を実行するアフィリエイト(協力者)を募集し、利益を分配する仕組みです。これにより、Medusaは攻撃の規模を急速に拡大させています。

Medusaの主な攻撃手法は以下の通りです。

  1. フィッシング攻撃: 巧妙な偽のメールを送りつけ、受信者を騙して悪意のあるリンクをクリックさせたり、添付ファイルを開かせたりします。これにより、マルウェアがコンピュータに侵入します。
  2. 脆弱性の悪用: ソフトウェアのセキュリティ上の欠陥(脆弱性)を悪用して、コンピュータに侵入します。特に、ScreenConnectというリモートアクセスツールや、Fortinetというセキュリティ企業の製品の脆弱性が悪用されていることが報告されています。

Medusaは、侵入に成功すると、コンピュータ内のファイルを暗号化し、身代金を要求するメッセージを表示します。身代金を支払わない場合、盗んだデータを公開すると脅迫することもあります。

被害事例と特徴

Medusaは、2023年にミネアポリス公立学校を攻撃し、10万人以上の生徒に関する機密文書を暴露したことで注目を集めました。また、トンガ、フランス、フィリピンなどの政府機関や、カナダの主要銀行が設立したテクノロジー企業も標的にしています。

Medusaの特徴として、FBIは、二重の恐喝の可能性を指摘しています。これは、被害者が身代金を支払った後、別のMedusa関係者が「交渉担当者が身代金を盗んだ」と主張し、再度支払いを要求するという手口です。

私たちができる対策

Medusaのようなランサムウェアの被害を防ぐためには、以下の対策が重要です。

  1. 不審なメールやリンクに注意する: 知らない送信元からのメールや、不審なリンクは絶対に開かないようにしましょう。
  2. ソフトウェアを最新の状態に保つ: ソフトウェアの脆弱性は、攻撃の侵入口となります。常に最新のバージョンにアップデートし、セキュリティパッチを適用しましょう。
  3. 強力なパスワードを使用する: 推測されにくい複雑なパスワードを設定し、定期的に変更しましょう。また、複数のサービスで同じパスワードを使い回さないようにしましょう。
  4. 多要素認証(MFA)を利用する: パスワードに加えて、スマートフォンなど別のデバイスを使った認証(多要素認証)を導入することで、セキュリティを強化できます。
  5. バックアップを取る: 万が一、ランサムウェアに感染した場合でも、バックアップがあれば、ファイルを復元できます。定期的にバックアップを取り、安全な場所に保管しましょう。
  6. セキュリティソフトを導入する: 信頼できるセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことで、マルウェアの侵入や活動を検知し、ブロックすることができます。

まとめ

Medusaのようなランサムウェアは、常に進化し、新たな攻撃手法を生み出しています。私たち一人ひとりがセキュリティ意識を高め、適切な対策を講じることが、被害を防ぐための最善の方法です。サイバー攻撃は待ってくれません。今日の小さな対策が、明日の大きなリスクを防ぎます。あなたの行動が、組織を守る最後の砦になるでしょう。

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