
9月1日は「防災の日」です。職場の防災訓練にあわせて、社内システムのバックアップも同じタイミングで点検します。
見るのは「取得できているか」だけではありません。本番とは別の場所へ実際に戻せるかまでを確認します。
確認の観点は、IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ6か条」第5条「バックアップを取ろう!」の対策例に沿っています。
防災の日は、設備点検だけの日ではありません
「防災の日」は、内閣府の閣議了解(昭和57年5月11日)で毎年9月1日と定められています。この日を含む1週間が「防災週間」。台風や豪雨、地震といった災害への認識を深め、備えを充実強化することが目的です。1923年9月1日の関東大震災にちなみます。
ここで一つ。防災の日は国民の祝日ではありません
2026年も9月1日は通常どおりの営業日です。だからこそ、避難訓練や安否確認訓練と並べて情報システム側の点検を組み込みやすい日と言えます。
「取れている」と「戻せる」は別の話
IPAの「情報セキュリティ6か条」は、中小企業向けガイドライン第4.0版で「バックアップを取ろう!」が加わって6項目になったものです。並びはOS・ソフトウェアの更新、ウイルス対策ソフト、パスワードの強化、共有設定の見直し、バックアップ、脅威や攻撃の手口を知ること。バックアップは5番目の条です。
第5条の本文はこうです。「故障や誤操作、ウイルス感染などにより、パソコンやサーバーの中に保存したデータが消えたり、暗号化されたりしてしまうことがあります。事業が継続できるようバックアップを取得しておきましょう。」
故障や誤操作がマルウェア感染と並記されている点は、見落とされがちではないでしょうか。
注目したいのは、対策例の最後の一行。「バックアップしたデータを戻せるか定期的に確認する」
取得はジョブが回れば自動で進みますが、戻せるかは誰かが手を動かさなければ分かりません。
防災訓練にあわせて確認する5項目
ここからが手を動かす部分。特定の製品を前提にせず、どの環境でも同じ順で確認できます。
1. 直近のバックアップジョブが成功しているか
結果画面を開き、直近の実行が成功で終わっているかを見ます。失敗が気づかれず放置されていないか、警告付きの成功が続いていないかも確認したいところ。
2. バックアップ先が本番と常時つながっていないか
IPAは対策例で「バックアップに使用する装置・媒体は、バックアップ時のみパソコンと接続する」と示しています。常時マウントされた共有フォルダだけが保存先だと、本番の暗号化に巻き込まれます。
3. 重要データが別媒体・別場所にもあるか
IPAは「321ルール」として、データを3つ持ち(運用データ1つ、バックアップデータ2つ)、2種類の異なる媒体でバックアップし、うち1つを異なる場所(オフサイト)に保管する方法を挙げています。自社のデータがこの形か照らし合わせます。
4. テスト用のファイルを1つ、別の場所へ復元できるか
本番を上書きしない検証用の領域へ、ファイルを1つだけ戻します。開けるか、中身が壊れていないか、どれだけ時間がかかったか。この3点をメモに残せば復旧見積もりの根拠になります。
5. 担当者不在でも手順に辿り着けるか
復元手順書が、暗号化されうる社内ファイルサーバーにしか無い状態は危険。担当者がいない日に、別の人が手順と認証情報の在り処へ辿り着けるか試してみましょう。
点検を終えて「戻せました」と言えるか
手を動かしたあと、次の5つに迷わず答えられる状態になっているかを見返します。
・直近のバックアップジョブがすべて成功で終わっているか ・バックアップ先が本番と常時接続されたままになっていないか ・重要データが別媒体・別場所(オフサイト)にも保管されているか ・テスト用ファイルを1つ、本番とは別の場所へ復元できたか ・復元の担当者と手順書の置き場所を、担当者以外も辿れるか
防災訓練と同じで、復元確認も一度やって終わりではなく、繰り返すことで精度が上がる作業
です。
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